古田里美「舫綱」  by.藤原章裕

古ちゃんといえば、お酒とツッコミで広く知られている。

お酒はいつも楽しそうに飲んでいるし、ツッコミは的確でボケた私たちをぐいと引き戻す。平成14年頃だったかと思うが、初めて会った頃からその印象は変わっていない。
きっとその前からもずっとそうなのだろうと思う。
一転、舞台に立つ彼女からはリアルな人物を感じて目が離せない。
中心にいてもいなくても、言葉を発していようといまいと、彼女は見る人を舞台上の世界にしっかりと繫ぎ止める。

稽古場で見ていても、彼女は舞台上の世界の人で、日常の世界では古ちゃんを演じているのかも、なんてことも考える。
そして舞台の上でお酒が出たり、誰かのボケにツッコんだりするようなシーンでは、彼女がさらに活き活きと見えてくる(そんな気がするだけかもしれないが)。
彼女の振る舞いに、にやりとさせられたり、どかんと笑わされたりしながら、世界は繋ぎ止められたままに物語は進むのだ。

さて今回の舞台、彼女の一挙手一投足で、一体どんな世界に連れていかれるのか、どうぞお楽しみに。

そんな古ちゃんをあらわす漢字二文字は「舫綱