古田里美「舫綱」  by.藤原章裕

古ちゃんといえば、お酒とツッコミで広く知られている。

お酒はいつも楽しそうに飲んでいるし、ツッコミは的確でボケた私たちをぐいと引き戻す。平成14年頃だったかと思うが、初めて会った頃からその印象は変わっていない。
きっとその前からもずっとそうなのだろうと思う。
一転、舞台に立つ彼女からはリアルな人物を感じて目が離せない。
中心にいてもいなくても、言葉を発していようといまいと、彼女は見る人を舞台上の世界にしっかりと繫ぎ止める。

稽古場で見ていても、彼女は舞台上の世界の人で、日常の世界では古ちゃんを演じているのかも、なんてことも考える。
そして舞台の上でお酒が出たり、誰かのボケにツッコんだりするようなシーンでは、彼女がさらに活き活きと見えてくる(そんな気がするだけかもしれないが)。
彼女の振る舞いに、にやりとさせられたり、どかんと笑わされたりしながら、世界は繋ぎ止められたままに物語は進むのだ。

さて今回の舞台、彼女の一挙手一投足で、一体どんな世界に連れていかれるのか、どうぞお楽しみに。

そんな古ちゃんをあらわす漢字二文字は「舫綱

髙島理「求究」 by.野村ますみ

桜も満開を迎え気持ちのいい季節になりましたね。いかがお過ごしでしょうか。
お久しぶりです。私は稽古の度に足腰をやられまくっていますけど何か?野村ますみです。

私がご紹介するキャストは、通称“たかしまん”、“髙島理”氏です。
彼とは気づけば知り合ってから10年を超える長いお付き合い。
芝居未経験で他のジャンル(私はダンス、たかしまんはアクション)から
役者になったという共通点があるせいか、何となく“同志”的な存在。

そんな彼を元号風に漢字二文字で表すなら・・・

求究

その身体能力を存分に使ってキレッキレのアクションをするときも、
役者としてその役どころの心情に向き合うときも、
彼の求めて究める姿勢やその結果がそこにある気がします。
求めすぎて究めすぎて苦悩している姿もよく見かけますが(笑)

きっと今回も苦悩しながらも求めて究めて、
素敵な役を作り上げて舞台に立つことでしょう。
もちろんキレッキレのアクションも健在です。
そんなたかしまんも含めて、今回の『慶應不思議草子』は、見どころ満載。
ぜひぜひご来場をお待ちしております。