『文字に恋する』/山本美和子

鞄の中には大抵文庫本が1、2冊ほど入ってます。
お風呂のお供も小説です。
そんな話をすると大抵「活字中毒ですか?」「読書家なんですね。」
といい感じに勘違いをしてくださるのですが…

違います!

山本は決して活字中毒ではなく、小説をこよなく愛する文学少女的なものでもありません。

ただただ「文字」が好きなのです。

一つ一つの文字が意味をなさず、けれども集まることであらゆる事柄を表すことができる

「文字」という存在が昔から好きなのです。

なので、極端な話をすれば小学校とかの教室に貼ってある
“ひらがな表”とか“給食献立表”とかを眺めるのも好きです。
≪マグロの竜田揚げ≫≪ひじきの煮物≫≪赤色は血や肉になるもの≫
うっとり。

新聞の、あのぎっしりした文字密度も好きです。
贅沢。

文字の集合体である小説。文字から単語になり、単語から文章になり、
文章からお話しになるという無二のめくるめく世界。
恍惚です。

辞書ほど重くないし。

たまにどう頑張っても読み進まないお話というのもありますが、それは「文字さん達」のせいではなく。
文字に罪なし。

文字を操ることで、数年も百年も千年も思いのままに手に取れる。
会えなかった人の心をいつでも眺めることが出来る。
あなたと私の気持ちの交換ができる。

なんて素敵。

ちなみに私の一番すきな形の「ひらがな」はこれ。
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音も綺麗。

ちなみに稽古がはじまると2冊の本の内1冊は台本になります。

文字から言葉になり、言葉から気持ちの音になる。
「Bar あの夜」で交わされる一つ一つの文字の音が、
どうぞみなさまに届きますように!